高齢者の水分補給|1日の目安と飲まない方への工夫・声かけのコツ

「うちの親、水分をあまり摂っていない気がする」「本人はのどが渇いていないと言うけれど大丈夫?」――高齢のご家族を持つ方や介護に関わる方から、よく聞かれる心配ごとです。実は、年齢を重ねたからだは、若い頃よりも水分が不足しやすい状態になっています。

本記事では、高齢者が水分不足になりやすい理由、1日の水分補給の目安、時間で決めて飲む仕組みづくり、そして水分をあまり飲みたがらない方への工夫と声かけのコツまで、ご本人にもご家族にも役立つ形で解説します。

なぜ高齢者は水分不足になりやすいのか|4つの理由

高齢の方の水分不足は、「本人の不注意」ではなく、加齢にともなうからだの変化と生活習慣が重なって起こりやすくなるものです。主な理由は次の4つといわれています。

理由 内容
①体内の水分量そのものが減る 加齢とともに、からだに蓄えられる水分の割合が少なくなるといわれる
②のどの渇きを感じにくくなる 渇きのセンサーが鈍くなり、水分が不足していても自覚しにくい
③食事量が減り、食事からの水分も減る 食事に含まれる水分は1日の大きな割合を占めるため、小食になるとその分が不足しやすい
④トイレを気にして飲むのを控えがち 夜間のトイレや外出時の不安から、自分で水分を制限してしまうことがある

環境省の熱中症予防情報サイトでも、高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくく、熱中症に特に注意が必要な方々として挙げられています。「渇いていないから大丈夫」ではなく、「渇きを感じる前に飲む」仕組みづくりが大切です。

出典:環境省 熱中症予防情報サイト

1日の水分補給の目安

国土交通省の「健康のため水を飲もう」推進運動によると、飲み物から補いたい水分の目安は1日およそ1.2リットルです。コップ1杯(約200ml)なら、1日6〜8回に分けるイメージになります。

出典:国土交通省「健康のため水を飲もう」推進運動

ここで高齢の方に特に意識してほしいのが、食事量との関係です。1日3食しっかり食べている場合、食事からも相当量の水分が摂れていますが、食が細くなるとその分の水分も減ってしまいます。「最近、食事の量が減ったな」と感じたら、飲み物からの水分を意識的に増やす必要があるサインです。

また、暑い日や入浴後、発熱時などは失われる水分が増えます。1.2リットルはあくまで平常時の土台と考え、状況に応じて上乗せしましょう。

「時間で決めて飲む」仕組みをつくる

のどの渇きを感じにくい高齢の方にとって、「渇いたら飲む」は当てになりません。おすすめは、渇きではなく時間と生活の節目で飲むタイミングを決めてしまうことです。

タイミング 量の目安
起床時 コップ1杯
朝食時 コップ1杯
10時ごろ(お茶の時間) コップ1杯
昼食時 コップ1杯
15時ごろ(お茶の時間) コップ1杯
夕食時 コップ1杯
入浴の前後 コップ1杯ずつ
就寝前 少量〜コップ1杯

この「起床・毎食・お茶の時間・入浴前後・就寝前」の8回モデルなら、1回あたりはコップ1杯。無理なく1日1.2リットル前後に届きます。時計やテレビ番組など、毎日の決まった合図とセットにすると習慣にしやすくなります。

何を飲む?|毎日の基本と注意したい飲み物

  • 基本は、水・白湯・麦茶などのノンカフェインの飲み物
  • 緑茶やコーヒーが好きな方は楽しみとして飲みつつ、水分補給の主役は水・麦茶に
  • アルコールは利尿作用があるとされ、水分補給にはならない(晩酌のあとは水を1杯)
  • たくさん汗をかいた日や暑い日は、塩分を含む飲み物(スポーツドリンク等)も組み合わせる

冷たすぎる飲み物はお腹の負担になりやすいため、常温や白湯など、飲みやすい温度を見つけることも続けるコツです。

水分をあまり飲みたがらない方への工夫と声かけ

「飲んでね」と言うだけでは、なかなか水分量は増えません。ご家族・介護に関わる方が実践しやすい工夫を紹介します。

  • 好みの温度・好みの飲み物を一緒に探す(白湯派か、麦茶派か、少し甘い飲み物か)
  • お気に入りのコップや湯のみを使う(「そのコップで飲む時間」を楽しみにする)
  • 飲み物を目に見える場所・手の届く場所に置いておく
  • 「お茶にしましょう」と誘い、一緒に飲む(声かけ+同席がいちばんの促し)
  • 飲み物だけにこだわらず、汁物・果物・ゼリーなど食事からの水分も活用する
  • 水分補給ゼリーやとろみ調整も、飲み込みが心配な場合の選択肢に(心配が強い場合は専門職に相談)

トイレが近くなるのを気にして飲まない方には、「夜ではなく日中に多めに飲む」よう時間配分を前倒しする方法があります。水分を摂ること自体をやめてしまうのが、いちばん避けたい選択です。

こんなときは早めに医療機関へ

受診の目安と大切な注意

発熱・下痢・嘔吐などで水分がほとんど摂れない、ぐったりしている、意識がはっきりしない、明らかに元気がないといった場合は、様子を見ずに速やかに医療機関を受診してください(状況によっては救急要請をためらわないでください)。また、心臓や腎臓の病気などで主治医から水分量の指示を受けている方は、必ずその指示を優先してください。本記事の目安量は、水分制限のない方向けの一般的な情報です。本記事は医学的な診断・治療を行うものではありません。

毎日の1杯を「飲みやすい水」に|水の種類と海洋深層水

1日6〜8回、毎日続ける水分補給だからこそ、「飲みやすさ」は続けるための大切な条件です。水には、水源や製法によっていくつかの種類があります。

種類 主な水源・製法 特徴
水道水 河川水・地下水などを浄水処理 法令に基づく水質基準で管理され、安価で手軽に利用できる
ナチュラルミネラルウォーター(天然水) 特定水源の地下水 採水地によってミネラルの構成や硬度が異なる
RO水(純水) 逆浸透膜(ROメンブレン)でろ過 不純物とともにミネラルもほとんど除去される
海洋深層水 水深200m以深の海水を取水し脱塩処理 低温で清浄性が高く、ミネラルバランスに特徴がある

一般に、硬度の低い軟水はクセが少なくやわらかい飲み口のため、日本人には馴染み深く、白湯にしても飲みやすいといわれています。

海洋深層水という選択肢

海洋深層水とは、一般に水深200メートルより深い層から取水される海水のことです。太陽光が届かない深海では表層に比べて水温が低く保たれ、清浄性が高いことが知られています。

出典:海洋深層水利用学会

海洋深層水の原水には、海水と同程度のおおむね3.4%前後の塩分が含まれていますが、市販の海洋深層水飲料は、逆浸透膜や電気透析などの脱塩処理を経て、食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格に適合した状態で流通しています。

例えば、伊豆赤沢沖・水深800mから採水された「Body Friendly Water」は、硬度40mg/Lの軟水に仕上げられた海洋深層水100%ボトルドウォーターで、クセがなくやわらかい飲み口が特徴です。2Lボトルを食卓や居間の見える場所に常備し、外出時には500mlボトルを。ご本人の毎日の1杯にも、離れて暮らすご家族への贈り物にも取り入れやすい一本です。

高齢者の水分補給に関するよくある質問

最後に、高齢者の水分補給について疑問に思われやすいポイントをQ&A形式で整理しました。

Q1. 高齢者は1日にどれくらい水分を摂ればよいですか?

飲み物からはおおむね1日1.2リットル程度が目安とされています(国土交通省「健康のため水を飲もう」推進運動より)。食事量が減っている方は、食事由来の水分も減っているため、飲み物側を意識的に増やしましょう。ただし、主治医から水分制限の指示がある方は必ずその指示に従ってください。

Q2. お茶ばかり飲んでいても大丈夫ですか?

麦茶などノンカフェインのお茶なら、水分補給として十分活用できます。一方、緑茶やコーヒーなどカフェインを含む飲み物には利尿作用があるとされるため、それだけに偏らず、水や麦茶を組み合わせるのがおすすめです。

Q3. 夜のトイレが心配で、水分を控えてしまいます

気持ちはよくわかりますが、自己判断で極端に減らすのは避けたい選択です。日中に多めに飲んで夜は少量にするなど、時間配分の前倒しで調整しましょう。夜間のトイレの悩みそのものが続く場合は、かかりつけ医に相談してみてください。

Q4. 水分補給ゼリーは使ってもよいですか?

飲み物だけでは量が摂りにくい方や、むせやすい方の選択肢として活用できます。あくまで補助として使い、飲み込みの心配が強い場合は、医師や地域包括支援センターなどの専門職に相談すると安心です。

まとめ|「渇く前に、時間で飲む」を家族みんなの習慣に

高齢の方は、体内水分量の減少・渇きの感じにくさ・食事量の減少・トイレへの不安という4つの理由から、水分が不足しやすくなっています。だからこそ「渇いたら飲む」ではなく、起床・毎食・お茶の時間・入浴前後・就寝前の8回モデルで、時間で決めてコップ1杯ずつ。ご家族の声かけと環境づくりが、何よりの支えになります。

毎日の1杯には、飲みやすさで選んだ水を。伊豆赤沢沖・水深800mから採水した「Body Friendly Water」は、硬度40mg/Lでクセがなくやわらかい飲み口の軟水です。気になった方はまずお試しください。