ペットボトルの原材料名で見かける「水(鉱水)」の鉱水(こうすい)。これは硬水(こうすい)とは読みは同じでも、まったく別の分類です。鉱水は「原水(もとの水)の種類」による分類、軟水・硬水は「硬度」による分類で、軸がそもそも違います。本記事では、鉱水の定義(農林水産省ガイドライン)と原水の種類、軟水・硬水との関係を2軸で整理し、ラベルの読み解き方までわかりやすく解説します。
鉱水(こうすい)とは
農水省ガイドラインの定義
鉱水とは、農林水産省の「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」で定められた原水の種類の一つです。一般に、ポンプなどで汲み上げた地下水で、地中でミネラル分が溶け込んだ水を指します。ペットボトルの原材料名に「水(鉱水)」と書かれていれば、その原水が鉱水であることを示しています。
「水」と記載し、水の次に括弧を付して、原水(鉱水・鉱泉水・湧水・温泉水・浅井戸水・水道水等)の種類を記載すること。
「鉱水」と「硬水」は読みは同じでも意味が違う
紛らわしいのが、「鉱水」と「硬水」がどちらも「こうすい」と読むこと。しかし、両者は分類の軸が異なります。鉱水は「原水がどんな水か(地下水の種類)」を表し、硬水は「ミネラルの量(硬度)」を表します。つまり「鉱水で、かつ軟水」という水も、「鉱水で、かつ硬水」という水も存在します。
ミネラルウォーターの原水7区分
農林水産省のガイドラインでは、ミネラルウォーター類の原水を、その由来によって次のように分類しています。
- 鉱水(こうすい):ポンプ等で汲み上げた、ミネラルを含む地下水
- 鉱泉水(こうせんすい):自噴する、ミネラルを含む地下水
- 湧水(ゆうすい):自然に湧き出る地下水
- 温泉水(おんせんすい):温泉法上の温泉に該当する地下水
- 浅井戸水(あさいどすい):浅い井戸から取水した地下水
- 深井戸水(ふかいどすい):深い井戸から取水した地下水
- 伏流水(ふくりゅうすい):河川敷などの地下を流れる水
鉱水はこのうちの一つ。いずれも地下水や地表近くの水で、原材料名としてラベルに表示されます。
軟水・硬水は「硬度」による別の分類
一方、軟水・硬水は、これまで見てきた原水の種類とはまったく別で、「硬度(カルシウム・マグネシウムの量)」による分類です。硬度が低ければ軟水、高ければ硬水になります。硬度の基準や使い分けは 軟水と硬水の違い で詳しく解説しています。
【2軸で整理】原水の種類×硬度
混乱を避けるために、「原水の種類」と「硬度」の2つの軸で整理してみましょう。
| 原水の種類\硬度 | 軟水(硬度が低い) | 硬水(硬度が高い) |
| 鉱水 | 鉱水かつ軟水 | 鉱水かつ硬水 |
| 湧水 | 湧水かつ軟水 | 湧水かつ硬水 |
このように、原水が「鉱水」であることと、硬度が「軟水/硬水」であることは、別々に決まります。ラベルでは「原材料名(原水の種類)」と「硬度」の両方を見ると、その水の性格がよくわかります。
ラベルの「原材料名」の見方
ミネラルウォーター類のラベルには、品名(ナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーター・ミネラルウォーター・ボトルドウォーターの4種)と、原材料名(水の種類)が表示されます。たとえば「品名:ナチュラルミネラルウォーター/原材料名:水(鉱水)」のように書かれます。品名は処理方法による分類、原材料名(鉱水など)は原水の種類、そして硬度はミネラルの量——この3つを分けて見ると、水選びの解像度が上がります。水道水・天然水・RO水・海洋深層水といったカテゴリごとの比較は 軟水のミネラルウォーターとは の比較表で整理しています。
地下水とは違う「海洋深層水」という原水
海洋深層水は7区分の地下水に当てはまらない
ここまで紹介した原水は、いずれも地下水や地表の水でした。これらとは別系統の原水として、海の深いところから採水する「海洋深層水」があります。海洋深層水は一般に水深200m以深の海水を指し、地下水を前提とした原水の区分とは異なる成り立ちを持ちます。たとえば「Body Friendly Water」は、静岡県・伊豆赤沢沖の水深800mから汲み上げた海洋深層水を原料としています。
加工(脱塩)のため「ミネラルウォーター」ではなくボトルドウォーター表示
海水である海洋深層水は、そのままでは飲用に適さないため、脱塩などの処理を行って飲みやすく整えます。この加工があるため、表示上は「ナチュラルウォーター」や「ミネラルウォーター」ではなく、海洋深層水100%のボトルドウォーター(軟水)にあたります。「ミネラルウォーター」と名乗らないのは、ラベル表示のルールに沿った、むしろ誠実な分類だといえます。硬度は40mg/Lのまろやかな軟水です。
よくある質問(FAQ)
鉱水は体にいい?
鉱水は地中でミネラルが溶け込んだ地下水ですが、「体にいい」と一概に断定できるものではありません。含まれるミネラルの種類や量は採水地によってさまざまで、硬度(軟水か硬水か)も水によって異なります。飲みやすさや用途で選ぶのがおすすめです。
鉱水は軟水・硬水どちら?
鉱水は「原水の種類」の分類なので、軟水のものも硬水のものもあります。鉱水だから硬水、と決まるわけではありません。気になるときはラベルの硬度を確認しましょう。硬度の見方は 軟水と硬水の違い をご覧ください。
まとめ:鉱水は「原水」、硬水は「硬度」。ラベルは3点セットで読む
鉱水は原水の種類、軟水・硬水は硬度による分類で、読みが同じでもまったくの別物です。ラベルは「品名(処理方法)」「原材料名(原水の種類)」「硬度」の3点セットで読むと、その水の正体がすっきりわかります。地下水系の原水とはひと味違う、深海由来のまろやかな軟水を試してみたい方は、下記もご覧ください。
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