「日本の水は軟水と聞くけれど、本当に全国どこでも軟水なの?」——結論から言うと、日本の水道水は全国平均で硬度約48.9mg/Lと低く、WHO(世界保健機関)の分類では軟水に区分されます。ただし、地域によって硬度には差があります。本記事では、東京大学の全国調査データをもとに、日本の水道水の硬度と地域差、そして「なぜ日本は軟水が多いのか」という理由まで、わかりやすく解説します。
日本の水道水は基本「軟水」
日本に暮らしていると、水道水をそのまま飲む機会は多いもの。その水道水の多くは、ミネラルの少ない軟水です。
全国平均は約48.9mg/L
東京大学の研究グループが全国47都道府県665地点の水道水を調査したところ、硬度の全国平均は約48.9mg/Lでした。これはWHOの分類で軟水に当たります。日本では硬度100mg/Lを超える地点はほとんどなく、水道水の「おいしさ」に関する目標値も10〜100mg/Lに設定されています。
単純に平均をとった日本の水道水の硬度の平均は48.9mg/Lであったことから、WHOによる分類上、軟水に区分されます。
軟水・硬水の基準のおさらい
そもそも軟水・硬水は、水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量(硬度)による分類です。WHO基準では60mg/L未満が軟水とされます。硬度の基準や使い分けは 軟水と硬水の違い で詳しく解説しています。
日本の水道水の硬度には地域差がある
全国的には軟水ですが、地域ごとに見ると硬度には差があります。東京大学の調査では、その差は主に原水(多くは河川水)の水質に由来し、配管などの影響ではないことも示されています。
硬度が高め傾向の地域
調査では、関東地方の硬度が高い傾向にあり、特に千葉県で高い値が報告されています。また、石灰質の地層を持つ沖縄県なども硬度が高めとされます。とはいえ、これらの地域でもWHO基準では軟水〜中硬水の範囲に収まることがほとんどです。
硬度が低め傾向の地域
一方、北海道や東北地方は硬度が低い傾向にあります。雪解け水を水源とする地域が多く、ミネラルが溶け込みにくいことが背景にあると考えられます。
なぜ日本の水は軟水が多いのか
そもそも、なぜ日本の水は軟水が多いのでしょうか。その理由は、日本の地形と地質にあります。
地形(山から海まで短く河川傾斜が急)
日本は国土が狭く、山から海までの距離が短いうえ、川の傾斜が急です。そのため雨水が地層にとどまる時間が短く、ミネラルが溶け込む前に海へ流れ出てしまいます。これが、軟水になりやすい大きな理由です。
地質(地層の滞留時間が短い)
加えて、日本の地層は火成岩が中心で、水にミネラルが溶け込みにくい性質があります。地下をゆっくり流れる時間も短いため、結果として硬度の低い軟水になりやすいのです。
海外(ヨーロッパ)との違い
対照的に、ヨーロッパには硬水が多く見られます。広大な大陸では川が長く、水が石灰岩などの地層を長い時間かけて通るため、カルシウムやマグネシウムが多く溶け込みます。海外旅行で水の味やお腹の調子が変わると感じるのは、この硬度差が一因です。
日本人の食文化と軟水の相性
日本人が慣れ親しんだ軟水は、和食との相性も抜群です。昆布やかつお節の出汁は軟水でこそ旨味が引き出され、ご飯もふっくら炊き上がります。日々の飲用にも、クセのないまろやかな軟水(硬度40mg/L前後が目安)はぴったりです。料理別の使い分けは 軟水と硬水、料理に向くのはどっち? で、軟水の選び方は 軟水のミネラルウォーターとは でまとめています。
地下水・水道水とは違う「海洋深層水」という選択肢
ここまで紹介した水道水や、市販の水の多くは、地下水や河川水を原水としています。これらとは別系統の原水として注目されるのが「海洋深層水」です。たとえば「Body Friendly Water」は、静岡県・伊豆赤沢沖の水深800mから汲み上げた海洋深層水を原料とした、硬度40mg/Lのまろやかな軟水。地上の地下水とは異なる、深海由来のミネラルバランスを持つのが特徴です。
なお、海水を脱塩などで処理しているため、表示上は海洋深層水100%のボトルドウォーター(軟水)にあたります。原水の種類による分類は 鉱水とは?軟水・硬水との違い で、水道水・天然水・RO水・海洋深層水のカテゴリ比較は 軟水のミネラルウォーターとは で詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
自分の地域の水道水の硬度を知るには?
お住まいの地域の水道水の硬度は、各自治体や水道局のウェブサイトで公開されている水質データで確認できます。「(市区町村名)水道 水質 硬度」などで検索すると見つけやすいでしょう。
引っ越しで水の味が変わるのはなぜ?
引っ越しで水の味が変わったと感じるのは、地域による硬度の差が一因です。前述のとおり原水の水質は地域で異なるため、硬度がわずかに変わるだけでも口当たりの印象が変わることがあります。
まとめ:日本の水は「地域差のある軟水」
日本の水道水は全国平均で硬度約48.9mg/Lの軟水ですが、関東で高め・北日本で低めといった地域差があります。その背景には、山から海までが短い地形と、ミネラルが溶け込みにくい地質がありました。飲み慣れた軟水は和食との相性もよく、毎日の1本にも選びやすい水です。地下水由来の水とはひと味違う、深海由来のまろやかな軟水を試してみたい方は、下記もご覧ください。
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