炊飯の水の量は?お米を炊く水の目安・浸水時間・水の選び方

炊飯器の目盛りが見えにくいとき、鍋や土鍋でご飯を炊くとき、「水はどれくらい入れればいいんだっけ?」と迷うことはありませんか。水道水で炊いていいのか、ミネラルウォーターに替えると何か違うのかも気になるところです。

結論からいうと、炊飯器なら内釜の目盛り、鍋なら米の重さの1.3〜1.5倍の水が目安です。浸水は最低30分、できれば60分。水は硬度の低い軟水が使いやすいとされています。

この記事では、農林水産省「米の調理特性」の数値をもとに、お米を炊く水の量・浸水時間・水の選び方と、水の量を間違えたときの対処法までをまとめて解説します。

結論:炊飯の水は「量・浸水・水の種類」の3つで決まる

炊飯の水で押さえておきたいポイントは、次の3つです。

ポイント 目安
①水の量 炊飯器は内釜の目盛りに合わせる。重さで量るなら米の重さの1.3〜1.5倍(容積の約1.2倍)
②浸水時間 最低30分、できれば60分(炊飯器の取扱説明書の指示を優先)
③水の種類 硬度の低い軟水が使いやすい。日本の水道水も炊飯に使える

出典:米の調理特性(農林水産省)

それぞれの根拠と具体的な量り方を、以下で順番に解説します。

炊飯の水の量の目安|炊飯器・鍋・合数別

水の量は、炊飯器で炊くなら内釜の目盛り、重さで量るなら米の重さの1.3〜1.5倍が目安です。炊き方ごとのポイントを見ていきましょう。

炊飯器は内釜の目盛りに合わせるのが基本

炊飯器は、機種ごとに水の量を前提に炊き方が設計されています。白米を炊くなら、内釜の「白米」の目盛りに合わせるのがいちばん確実です。無洗米・玄米・おかゆなどは、専用の目盛りや取扱説明書の指示に従いましょう。

目盛りどおりに炊くには、米の量を正確に量ることも大切です。米は付属の計量カップ(1合=180ml)にすくい、表面を平らにすり切って量ります。

鍋・土鍋で炊くなら「米の重さの1.3〜1.5倍」が目安

農林水産省によると、炊飯の加水量は米の重さの1.5倍(米の容積の1.2倍)が基準とされています。一方、近年の家庭用電気炊飯器は炊飯中に蒸発する水が少ないため、米の重さの1.3〜1.4倍が加水量とされています。

鍋や土鍋は炊飯器に比べてふたのすき間などから蒸発しやすいため、基準の1.5倍を目安に、好みのかたさに合わせて加減するとよいでしょう。なお、洗った米は表面に10%程度の水が付くため、そのぶん重くなります。加水量はこの付着水も含めた量と考えます。

出典:米の調理特性(農林水産省)

1合・2合・3合の水の量早見表(ml・g)

米1合(180ml)は約150gです。これをもとに、炊飯器の目安(1.3〜1.4倍)と鍋・土鍋の基準(1.5倍)で水の量を計算すると、次のとおりです。水は1ml≒1gとして、キッチンスケールでも量れます。

米の量 炊飯器の目安(1.3〜1.4倍) 鍋・土鍋の基準(1.5倍)
1合(約150g) 約195〜210g(ml) 約225g(ml)
2合(約300g) 約390〜420g(ml) 約450g(ml)
3合(約450g) 約585〜630g(ml) 約675g(ml)

※農林水産省「米の調理特性」の加水量の基準と1合の重さ(約150g)をもとに編集部で計算した目安です。1合の重さは品種や量り方で前後します。

出典:米の調理特性(農林水産省)

計量カップがないときは重さで量る(指で量る方法は目安)

計量カップがないときや、鍋で毎回同じ仕上がりにしたいときは、キッチンスケールで米と水の重さを量る方法がおすすめです。米の重さに倍率をかけるだけなので、合数が半端でも計算できます。

米の上に手のひらや指を当てて、水面までの高さで量る方法もよく知られています。ただし、鍋の形や大きさ、手の大きさによって誤差が出やすいため、あくまで目安と考え、仕上がりを見ながら調整しましょう。

無洗米・新米は水加減を調整する

無洗米は洗米をしないため、洗った米に付く10%程度の付着水がありません。炊飯器の「無洗米」の目盛りを使うか、白米より水をやや多めにするのが基本です。農林水産省のページでは、1合あたりの重さは無洗米で約160gとされています。

新米は水分を多く含むといわれるため、炊き上がりを見ながら好みで水を加減しましょう。玄米や雑穀米は、炊飯器の専用モードや取扱説明書の指示に従うのが確実です。

水の量が決まったら、次は水の種類にも目を向けてみましょう。関連記事「軟水のミネラルウォーターとは|特徴・硬水との違い・選び方を解説」では、軟水の特徴や選び方を解説しています。

水の量を間違えたときの対処法|少なかった・多かった・入れ忘れ

水の量を間違えてしまっても、炊き上がりの状態に合わせて手当てできることがあります。状況別に見ていきましょう。

水が少なくて硬い・芯が残ったとき

ご飯が硬い、芯が残っていると感じたら、少量の水を全体に振りかけてから再加熱する方法が一般的です。炊飯器に再加熱の機能があれば取扱説明書に従って使い、少量なら耐熱容器に移してラップをかけ、電子レンジで温める方法もあります。

次に炊くときは、早見表に戻って加水量を見直してみましょう。

水が多くてやわらかい・べちゃっとしたとき

やわらかく炊き上がったときは、しゃもじで全体をほぐし、保温を切って余分な水分を飛ばします。それでも気になる場合は、炒飯や雑炊、リゾットなど、やわらかさを活かせる料理に使うのもひとつの方法です。

なお、炊飯器で目盛りより大幅に多い水を入れると、ふきこぼれの原因になることがあります。とくに圧力式の炊飯器では、目盛りを超えないようにしましょう。

水を入れ忘れて炊飯ボタンを押したとき

水を入れ忘れたことに気づいたら、すぐに炊飯を停止し、電源プラグを抜きましょう。内釜は高温になっているため、冷めるまで触らないようにします。

冷めてから内釜や本体の状態を確認し、焦げつきや異臭、変形などがある場合は使用を控えて、取扱説明書の案内やメーカーの窓口に相談してください。

お米を水につける時間(浸水時間)の目安

お米を水につける時間の目安は、最低30分、できれば60分です。ただし、水温や炊飯器の機能によって考え方が変わります。

浸水は最低30分、できれば60分

農林水産省によると、浸漬(浸水)は1〜2時間が適当で、吸水のデータをもとに最低30分間、できれば60分間の浸漬が必要とされています。

浸水によって米の中心まで水が入ると、加熱したときに中心まで火が通りやすくなり、ふっくらと炊き上がりやすくなります。

出典:米の調理特性(農林水産省)

水温・季節で吸水の速さが変わる

米が水を吸う速さは水温によって変わります。農林水産省のページでは、水温30℃は5℃より吸水率が高く、短時間で吸水しきることが示されています。水が冷たい冬は長めに、水温の高い夏は短めでも吸水が進むと考えるとよいでしょう。

一方で、浸漬が長すぎると米粒の表面の組織が崩れやすく、食味が落ちる一因になります。とくに夏のような高い水温で長時間浸漬すると、腐敗にも注意が必要です。長く浸水させたいときは冷蔵庫に入れるなど、衛生面にも気をつけましょう。

出典:米の調理特性(農林水産省)

最近の炊飯器は浸水なしで炊ける機種もある

近年の電気炊飯器は、予備浸水なしで炊飯できるものが多くなっています。マイコン式の炊飯器には、スイッチを入れると40〜50℃の温度帯に15分程度保って吸水させるプログラムが組み込まれたものが多いとされています。炊飯器を使う場合は、まず取扱説明書の指示を確認しましょう。

浸水させた後の水の扱いも、取扱説明書の指示に従うのが基本です。浸水後に水を切った場合は、あらためて目盛りに合わせて水を入れ直します。

出典:米の調理特性(農林水産省)

炊飯に使う水の種類は「硬度」で選ぶ

炊飯に使う水は、硬度(カルシウム・マグネシウムの量、mg/L)で選ぶのが基本で、硬度の低い軟水が使いやすいとされています。

硬度とは?軟水・硬水の目安(mg/L)

硬度とは、水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を、炭酸カルシウムの量に換算して表した値です。日本では一般に、硬度100mg/L未満を軟水、100〜300mg/L未満を中硬水、300mg/L以上を硬水とする区分がよく用いられます(区分の境目は資料によって幅があります)。

軟水が炊飯に向くといわれる理由

お米は、浸水と炊飯の間に水を吸って膨らみながら炊き上がります。日本家政学会誌に掲載された研究では、カルシウムを含む水で炊いたご飯は普通に炊いたご飯より硬く、米粒の膨らみ方(膨潤)も小さかったと報告されています。カルシウムが米粒の表層の細胞壁に作用し、膨らむのを妨げる一因になっていると推察されています。

出典:カルシウムイオン水が炊飯における飯の組織形態に及ぼす影響(日本家政学会誌 53巻11号、2002年/J-STAGE)

このことから、カルシウムの多い硬水で炊くと硬めに炊き上がることがあり、ふっくらと炊きたいなら硬度の低い軟水が使いやすいと考えられます。

水道水で炊いても大丈夫?

水道水で炊飯するのは、ごく一般的な方法です。水道水は水道法にもとづく水質基準を満たして供給されており、硬度の水質基準は300mg/L以下、水質管理目標設定項目としての目標値は10mg/L以上100mg/L以下とされています。

出典:水質基準項目と基準値(52項目)(環境省)

日本の水道水は多くの地域で軟水とされますが、硬度には地域差があります。お住まいの地域の硬度は、自治体(水道局)が公表している水質検査の結果で確認できます。カルキのにおいが気になる場合は、浄水器の水やボトルドウォーターを使うのもひとつの選択肢です。

硬水やミネラルウォーターで炊くとどうなる?

市販のミネラルウォーターも、製品によって硬度はさまざまです。炊飯に使う場合は、ラベルの硬度(mg/L)を確認し、軟水を選ぶとよいでしょう。硬度の高い水では、先ほどの研究のように硬めの炊き上がりになることがあります。

水を替えてみるなら、米が吸う浸水の水と炊飯の水から替えるのが効率的です。洗米に使う水は水道水にするなど、使い分けるとコストも抑えられます。

軟水と硬水の区分や味の違いは、関連記事「軟水と硬水の違いとは|硬度の基準・味・使い分けを解説」で詳しく解説しています。

炊飯に使う水を比較:水道水・天然水・RO水・海洋深層水

炊飯は毎日のことなので、炊き上がりに関わる硬度だけでなく、手に入れやすさやコスト、保存のしやすさも含めて選ぶと続けやすくなります。代表的な4種類の水を、客観的な項目で比べてみましょう。

項目 硬度の傾向 品質の基準 入手性・保存性
水道水 地域により異なる(水質基準300mg/L以下) 水道法の水質基準(52項目) 蛇口からすぐ使え、コストが低い
天然水(ナチュラルミネラルウォーター) 採水地・製品により異なる(ラベルで確認) 食品衛生法の清涼飲料水の規格 購入が必要。未開封なら賞味期限まで保存できる
RO水(純水) 製品により異なる(ラベルで確認) 食品衛生法の清涼飲料水の規格 購入やサーバーの利用が必要。保存は製品の表示に従う
海洋深層水(市販の海洋深層水飲料) 製品により異なる(ラベルで確認) 食品衛生法の清涼飲料水の規格 購入が必要。未開封なら賞味期限まで保存できる

出典:水質基準項目と基準値(52項目)(環境省)

どの水が優れているということではなく、炊き上がりの好みや使う量、手間に合わせて選べば十分です。普段は水道水で炊き、浸水と炊飯の水だけボトルドウォーターにするといった使い分けもできます。

海洋深層水という選択肢

海洋深層水とは、一般的に水深200〜300mよりも深いところにある海水のことを指し、表層の海水にはない「高栄養性」「清浄性」「低温安定性」という特徴があるとされています。

出典:駿河湾深層水の有効利用(静岡県)

海洋深層水の原水には、海水と同程度のおおむね3.4%前後の塩分が含まれていますが、市販の海洋深層水飲料は、逆浸透膜や電気透析などの脱塩処理を経て、食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格に適合した状態で流通しています。

Body Friendly Waterは、静岡県伊東市赤沢沖の水深800mから取水した海洋深層水100%ボトルドウォーターです。硬度40mg/Lの軟水なので、浸水や炊飯にも使いやすい硬度帯です。FSSC22000及びISO22000の認証を取得した工場で製造しています。

項目 Body Friendly Water
硬度 40mg/L(軟水)
ナトリウム 6.7mg(100ml)
カルシウム 0.25mg(100ml)
マグネシウム 0.78mg(100ml)
カリウム 0.29mg(100ml)
pH値 6.2

※栄養成分表示(100ml当たり)。自社分析結果。

2Lボトル(2L×6本)は、炊飯や料理用に常備しておくのにも向いています。賞味期限は製造日から2年なので、買い置きもしやすいでしょう。

海洋深層水の特徴や成分は、関連記事「海洋深層水とは?特徴・成分・効果・選び方までわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

よくある疑問

お米を炊く水について、気になりやすいポイントをまとめました。

お湯やぬるま湯で炊いてもいいですか?

水温が高いほど米の吸水は速くなりますが、浸水が長すぎると米粒の表面が崩れやすく、とくに高い水温では腐敗にも注意が必要です。炊飯器は機種ごとに温度を制御して炊き上げるため、基本は常温〜冷たい水を目盛りどおりに入れ、取扱説明書の指示を優先しましょう。

浄水器の水で炊いてもいいですか?

浄水器の水も炊飯に使えます。浄水器の多くは元の水道水と同程度の硬度の水になるため、炊き上がりの考え方は水道水と同じです。カルキのにおいが気になる方の選択肢になります。

炭酸水で炊くとふっくらしますか?

炭酸水で炊く方法は家庭で試す方法として知られていますが、公的な検証は確認できなかったため、本記事では炊き上がりの変化を断定しません。試す場合も、炭酸水は製品によって硬度が異なるため、ラベルの硬度(mg/L)を確認して軟水のものを選ぶとよいでしょう。

海洋深層水は海の水なので塩分が気になりませんか?

海洋深層水の原水には、海水と同程度のおおむね3.4%前後の塩分が含まれていますが、市販の海洋深層水飲料は、逆浸透膜や電気透析などの脱塩処理を経て、食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格に適合した状態で流通しています。

脱塩の仕組みについては、関連記事「海洋深層水に塩分はある?脱塩の仕組み・安全性・食塩相当量を解説」で詳しく解説しています。

まとめ:炊飯の水は「目盛り(重さの1.3〜1.5倍)×浸水30分以上×軟水」で決める

お米を炊く水は、量・浸水・水の種類の3つを押さえれば迷わず決められます。最後にポイントをおさらいしましょう。

  • 水の量:炊飯器は内釜の目盛り。重さで量るなら米の重さの1.3〜1.5倍(1合約150gなら約195〜225g)
  • 浸水:最低30分、できれば60分。冬は長めに、夏は長時間なら冷蔵庫で。炊飯器の指示を優先
  • 水の種類:硬度の低い軟水が使いやすい。水道水も炊飯に使える
  • 失敗したとき:硬ければ水を振って再加熱、やわらかければほぐして水分を飛ばす。入れ忘れはすぐ停止

軟水についてもっと知りたい方は、関連記事「軟水のミネラルウォーターとは|特徴・硬水との違い・選び方を解説」もあわせてご覧ください。毎日のご飯を、自分好みの炊き上がりに近づけていきましょう。