水を多めに飲むようにしているけれど、最近トイレが近い、胃が重い、なんとなく気持ち悪い。「水中毒」という言葉を目にして、不安になった方もいるのではないでしょうか。
先に結論をお伝えすると、健康な人が普段の生活で飲む量の水で、水中毒になることはまれです。注意したいのは、短時間に一気に大量に飲む、大量の汗をかいた後に水だけをたくさん飲む、食事が十分にとれていない、といった状況が重なるときです。
この記事では、水中毒の症状や受診の目安、適量を守る飲み方のコツを、日本の医学論文や公的機関の情報をもとに解説します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療を行うものではありません。体調に不安がある方は医療機関にご相談ください。
水の飲みすぎとは?まず知っておきたい結論
健康な人が普段の生活で飲む量で、水の飲みすぎが問題になることはまれです。ただし、腎臓が水を体の外に出せる量を超えて飲むと、血液中のナトリウム濃度が薄まり、体調不良が起こることがあります。
日本内科学会雑誌の論文では、腎臓が尿を薄めて水を排出する働きが正常であれば、水中毒を起こすには極めて大量の水を飲む必要があると説明されています。日常の範囲の水分補給を過度に心配する必要はありません。
出典:日本内科学会雑誌 111巻5号「低ナトリウム血症」(2022)
問題になるのは「量」より「飲むスピード」と「状況」
気をつけたいのは1日の総量だけではありません。短時間に一気に飲む、大量の汗をかいた後に水だけをたくさん飲む、食事量が少ないといった状況が重なると、リスクが上がると考えられています。
同じ論文では、食事から塩分などを十分にとれていない状態があると、それほど大量の水分をとらなくても水中毒になり得ると指摘されています。「1日2リットル以上は飲みすぎ」といった数字を見かけることもありますが、どこから危ないかは体格や体調、状況による個人差が大きく、一律の線引きはできません。具体的な場面は後半の「水の飲みすぎになりやすい人・場面」で解説します。
1日に飲む水の目安量はどのくらい?(要点のみ)
環境省の「健康のため水を飲もう」推進運動では、コップの水をあと2杯飲めば、1日に必要な水の量をおおむね確保できるとしています。また、運動や暑さで汗の量が普段より多いときは、それに見合う水分量の確保が必要とされています。
必要な量は体格や活動量、気温によって変わります。なお、腎臓や心臓などの病気で医師から水分のとり方について指示を受けている場合は、その指示に従う必要があります。
1日に必要な水分量の考え方や計算方法は、関連記事「水分補給の目安はどれくらい?1日の量・回数・タイミングを解説」で詳しく解説しています。
水を飲みすぎると起こりうること
水を飲みすぎたときに起こることの多くは、トイレが近くなる、胃が重くなるといった一時的な体調の変化です。ただし、まれに水中毒という状態につながることがあります。
水中毒(急性の低ナトリウム血症)とは
水中毒とは、腎臓が水を排出できる量を超えて水分をとることで、血液中のナトリウム濃度が急に薄まる状態(急性の低ナトリウム血症)を指します。
ナトリウムは、体内の浸透圧(体の中の水分のバランス)などを調整する重要な役割を担うミネラルです。
まれな状態ではあるものの、集中治療の現場で治療を受けた水中毒の患者についての研究も報告されています。
主な症状:頭痛・吐き気から、重い場合は意識障害やけいれんも
日本内科学会雑誌の論文では、低ナトリウム血症の症状が重症度別に整理されています。軽いものから重いものの順にまとめると、次のとおりです。
- 中等度の症状:吐き気(嘔吐を伴わない)、頭痛、錯乱(考えがまとまらない、混乱する)
- 重度の症状:嘔吐、呼吸や循環の苦しさ、異常に強い眠気、けいれん、昏睡
ただし、頭痛や吐き気は脱水など、ほかの原因でも起こります。症状だけで自己判断せず、つらい症状が続くときは後述の「対処と受診の目安」を参考にしてください。
トイレが近い・胃が重いなど、日常で感じやすいサイン
飲む量が多ければ、そのぶん尿の回数は増えます。また、一度にたくさん流し込むと、胃が重い、気持ち悪いと感じることもあります。厚生労働省の熱中症予防のガイドでも、冷たい飲み物(アイススラリー)について、一度に大量に飲むと胃に負担をかけるため少しずつ数回に分けて飲むよう示されています。
夜中のトイレが気になる方は、寝る前にまとめて飲んでいないか見直してみましょう。ただし、トイレが近い原因は水の飲みすぎとは限らず、病気が隠れていることもあります。気になる状態が続く場合は医療機関に相談しましょう。
「水太り」「むくみ」は水の飲みすぎが原因?
「水を飲みすぎるとむくむ」という話を聞くことがありますが、むくみには塩分のとり方や長時間同じ姿勢でいることなど、さまざまな要因が関わり、水を飲む量だけで決まるものではありません。気になるむくみが続く場合は、自己判断で水を控えず医療機関に相談しましょう。
寝る前の水の飲み方は、関連記事「寝る前に水を飲むのはいい?適量・タイミングと夜中のトイレを防ぐ飲み方」で詳しく解説しています。
水の飲みすぎになりやすい人・場面
次のような状況が重なると、普段より少ない量でも体内のナトリウム濃度が薄まりやすくなります。自分に当てはまるものがないか、確認してみてください。
大量の汗をかいた後に、水だけをたくさん飲む
汗には水分だけでなく塩分も含まれています。厚生労働省の「職場における熱中症予防情報」のガイドでは、大量に汗をかくと体内の塩分も失われ、そこに水分だけを補給すると体内の塩分の割合が低下するとして、水分と塩分を同時に補給するよう呼びかけています。
夏の屋外作業やスポーツ、サウナの後など、汗をたくさんかいた場面で水だけを大量に飲むのは避けましょう。
短時間に一気に飲む(マラソン・イベントなど)
日本内科学会雑誌の論文では、水中毒の代表的な原因のひとつとして「マラソン中の大量飲水」が挙げられています。
運動中や暑い日の屋外イベントでは、ペットボトルを一気に飲みきってしまいがちです。一度にまとめて飲むより、少量ずつ分けて飲む方が体への負担は少なくなります。
食事量が少ない・偏っているときに水をたくさん飲む
同じ論文では、水中毒の原因として「溶質摂取不足」も挙げられています。これは、食事から塩分などを十分にとらず、ビールなどの飲み物が中心になっているような状態のことです。食事量が極端に少ないと、腎臓が水を排出できる量が減るため、それほど大量でなくても水中毒になり得るとされています。
極端な食事制限をしているときや、食事を抜いて水だけで済ませているときは、水をたくさん飲むことに注意が必要です。
持病や服薬で水分の指示を受けている人・高齢の方
腎臓や心臓などの病気の治療中で、医師から水分のとり方について指示を受けている場合は、その指示に従ってください。また、先ほどの論文では、高齢の方の低ナトリウム血症は夏場に増えるとされ、その背景として塩分の摂取量が減り、水分の摂取量が増えることなどが挙げられています。
だからといって、自己判断で水分を控えるのは禁物です。服薬中の方や高齢の方で、どのくらい飲めばよいか迷う場合は主治医に相談しましょう。
暑い時期の水分のとり方は、関連記事「熱中症対策の水分補給|いつ・何を・どれだけ飲むべきかを解説」もあわせてご覧ください。
飲みすぎかも?と感じたときの対処と受診の目安
軽い不調であれば、まずは水を飲むのをいったん控えて様子を見ましょう。ただし、症状が強いときや続くときは、自己判断せずに医療機関を受診してください。
まずは水を飲むのをいったん控え、安静にする
胃が重い、少し気持ち悪いといった軽い症状であれば、追加で水を飲むのを控え、楽な姿勢で休みましょう。
このとき、自己判断で塩分の多いものを急いで大量にとるのは避けてください。また、「気持ち悪いから、もっと水を飲もう」と飲み続けるのもよくありません。症状がおさまらない場合は医療機関に相談しましょう。
すぐに受診・救急車を考えたい症状
次のような様子が見られるときは、様子を見続けず、医療機関の受診や救急車を呼ぶことを考えてください。
受診・救急車の目安
- 頭痛・吐き気・嘔吐が続く、ぼんやりする:早めに医療機関を受診する
- 意識がない(返事がない)、または意識がおかしい(もうろうとしている):ためらわずに119番
- けいれんが止まらない:ためらわずに119番
- 冷や汗を伴うような強い吐き気がある:ためらわずに119番
救急車を呼ぶか迷うときは、救急相談窓口「#7119」に相談する方法もあります。医師・看護師・救急救命士から電話でアドバイスを受けられる仕組みですが、実施している地域は限られているため、お住まいの地域で利用できるか確認しておきましょう。
水の飲みすぎを防ぐ「適量の守り方」6つのコツ
適量を守るポイントは、一度にたくさんではなく、こまめに分けて飲むことです。公的な情報をもとに、今日からできる6つのコツを紹介します。
のどが渇く前に、コップ1杯ずつこまめに飲む
厚生労働省は、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分を補給するよう呼びかけています。環境省も、寝る前、起床時、スポーツ中とその前後、入浴の前後、そしてのどが渇く前に水分をとることが大切だとしています。
タイミングを決めてコップ1杯ずつ飲むようにすると、のどが渇いてから一気に飲むことが減り、1日の量も自然と分散できます。
一気飲みを避け、少しずつ数回に分けて飲む
厚生労働省のガイドでは、冷たい飲み物について、一度に大量に飲むと胃に負担をかけるため、少しずつ数回に分けて飲むよう示されています。
例えば500mlのペットボトルなら、一度に飲みきらず数回に分けて飲みましょう。時間あたりの明確な上限は決められないため、「一度にたくさん飲まない」ことを習慣にするのが大切です。
汗をたくさんかいたら、水分と塩分をセットで
大量に汗をかいたときは、水だけでなく塩分も一緒に補給することが大切です。厚生労働省のガイドでは、作業時の例として、スポーツ飲料を30分ごとにコップ1杯(200ml)程度飲むこと、食塩相当量が100mlあたり0.1〜0.2gのものを選ぶことが示されています。
運動時もこまめな水分補給が勧められています。日常の水分補給は水で、大量に汗をかく場面では塩分も含む飲み物で、と使い分けましょう。
1日3食をきちんととる
厚生労働省のガイドでは、1日3食をしっかり食べれば必要な塩分は摂取できるとされています。前述のとおり食事量が極端に少ない状態はリスクを高めるため、食事を抜いて水だけで済ませる習慣は避けましょう。
一方で、食塩のとりすぎにも注意が必要です。e-ヘルスネットによると、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病の予防のための食塩相当量の目標量を、18歳以上の男性で1日7.5g未満、女性で6.5g未満としています。塩分を多くとろうとするのではなく、普段の食事をきちんととることを意識しましょう。
尿の色や回数を、体調チェックのひとつにする
厚生労働省のガイドでは、尿の色で脱水状態をセルフチェックすることが勧められています。色が濃いときは、水分が不足しているサインのひとつと考えられます。
トイレの回数が極端に多い日が続くときは、飲む量やタイミングを見直すきっかけにしましょう。
アルコールやカフェインの多い飲み物は水分補給と分けて考える
環境省は、アルコールや多量のカフェインを含む飲み物は尿の量を増やし、体内の水分を排出してしまうため、水分補給には適さないとしています。
お酒を飲むときは、後からまとめて水を一気に飲むのではなく、合間に少しずつ水を飲むようにしましょう。
朝の水の飲み方は、関連記事「朝に水を飲む理由は?起床後に飲む量・温度・タイミングと注意点」で詳しく解説しています。
毎日の水選び:水道水・天然水・RO水・海洋深層水を比較
まず前提として、どの種類の水でも、短時間に大量に飲めば同じように注意が必要です。また、どの水も、大量の汗をかいたときの塩分補給(スポーツ飲料や経口補水液など)の代わりにはなりません。
そのうえで、毎日こまめに飲み続ける水を選ぶ視点として、主な水の種類を比べると次のようになります。水は硬度の違いで飲み口が変わり、一般に軟水はやわらかく、硬水はしっかりとした飲み口と感じられやすいとされています。
| 水の種類 | 採水環境・原料 | 硬度(飲み口) | 品質の基準 |
| 水道水 | 河川や湖、地下水などを浄水処理 | 地域によって異なる(水質基準では300mg/L以下) | 水道法に基づく水質基準(52項目) |
| ナチュラルミネラルウォーター(天然水) | 特定の水源から採水した地下水 | 採水地によって軟水から硬水まで幅がある | 食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格 |
| RO水(純水) | 原水を逆浸透膜でろ過 | ミネラル分の多くを取り除くため非常に低い | 食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格(容器入りの場合) |
| 海洋深層水(市販の海洋深層水飲料) | 一般に水深200〜300mより深い海水を脱塩処理 | 脱塩後の調整により製品ごとに異なる | 食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格 |
どの水が優れているというものではなく、用途や好みに合わせて、無理なく続けられる水を選べば十分です。
海洋深層水という選択肢
海洋深層水とは、一般的には水深200〜300mよりも深いところにある海水を指し、表層水に比べて「清浄性」や「低温安定性」などの特徴があるとされています。
海洋深層水の原水には、海水と同程度のおおむね3.4%前後の塩分が含まれていますが、市販の海洋深層水飲料は、逆浸透膜や電気透析などの脱塩処理を経て、食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格に適合した状態で流通しています。
例えば、静岡県伊東市の赤沢沖・水深800mから取水した海洋深層水100%ボトルドウォーター「Body Friendly Water」は、硬度40mg/Lの軟水で、クセがなくやわらかい飲み口が特徴です。製造はカトープレジャーグループの株式会社赤沢温泉郷が手がけ、FSSC22000及びISO22000の認証を取得した自社工場で、取水から充填まで一貫して行っています。
| 項目 | 値 |
| 熱量 | 0kcal |
| ナトリウム | 6.7mg(食塩相当量0.02g) |
| カルシウム | 0.25mg |
| マグネシウム | 0.78mg |
| カリウム | 0.29mg |
| 硬度 | 40mg/L(軟水) |
| pH値 | 6.2 |
※栄養成分表示(100ml当たり)。硬度のみ1L当たりの値です。※自社分析結果
なお、海洋深層水であっても、たくさん飲んでよい水というわけではなく、水の飲みすぎや水中毒を防ぐ効果があるものでもありません。汗をかいたときの塩分補給の代わりにならない点も、ほかの水と同じです。毎日こまめに分けて飲む飲料水の選択肢のひとつとしてお考えください。
海洋深層水について研究でわかっていることは、関連記事「海洋深層水の効果とは?ミネラルの働きと研究でわかっていることを解説」で紹介しています。
よくある疑問
水の飲みすぎについて、気になりやすいポイントをまとめました。
1日2リットル飲むのは飲みすぎですか?
必要な水の量は体格や活動量、気温によって変わるため、一律に「2リットルは飲みすぎ」とは言えません。大切なのは、一度にまとめて飲まず分けて飲むことです。持病で医師から水分の指示を受けている方は、その指示に従ってください。
水を飲みすぎると腎臓に負担がかかりますか?
健康な人の腎臓は、尿を薄めて多くの水を体の外に出すことができるため、日常の範囲の水分補給を過度に心配する必要はありません。ただし、腎臓の病気がある方や、医師から水分のとり方について指示を受けている方は、必ず主治医の指示に従ってください。
水を飲みすぎて気持ち悪いときはどうすればいいですか?
まずは水を飲むのをいったん控えて、安静にしましょう。症状が続く、強い、ぼんやりするといった場合は医療機関を受診してください。意識がもうろうとしている、けいれんが止まらないといった場合は、ためらわずに119番に連絡しましょう。救急車を呼ぶか迷うときは「#7119」(実施地域のみ)に相談する方法もあります。
夜中にトイレで起きるのは水の飲みすぎですか?
寝る直前にたくさん飲むと、夜間にトイレが近くなることがあります。寝る前は量を控えめにし、夕方までにこまめに分けて飲むなど工夫してみましょう。ただし原因はさまざまなので、回数が多い状態が続く場合は医療機関に相談してください。
海洋深層水なら、たくさん飲んでも大丈夫ですか?
どの水でも、短時間に大量に飲めば同じように注意が必要です。海洋深層水の原水には海水と同程度の塩分が含まれていますが、市販の海洋深層水飲料は、脱塩処理を経て食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格に適合した状態で流通しています。ほかの水と同じように、こまめに分けて飲みましょう。
海洋深層水の塩分や脱塩の仕組みは、関連記事「海洋深層水に塩分はある?脱塩の仕組み・安全性・食塩相当量を解説」で詳しく解説しています。
まとめ:水は「こまめに・分けて・状況に合わせて」飲もう
水の飲みすぎについてのポイントを振り返ります。
- 健康な人が普段の生活で飲む量で、水中毒になることはまれ
- 注意したいのは、短時間の大量飲水、大量の汗をかいた後に水だけを飲む、食事が不足している、といった状況が重なるとき
- 頭痛・吐き気が続くときは医療機関へ。意識がもうろうとしている、けいれんが止まらないときは119番、迷ったら#7119(実施地域のみ)
- のどが渇く前にこまめに分けて飲み、汗をかいたら塩分もセットで、1日3食をきちんととる
「たくさん飲めばいい」でも「控えればいい」でもなく、自分の体調や状況に合わせて、こまめに分けて飲む習慣を続けていきましょう。
水を飲むことの意味や毎日の上手な飲み方は、「水を飲む効果とは?体の中の水の役割と、毎日続けやすい上手な飲み方」もあわせてご覧ください。
初めての方も安心。単品購入・定期便のどちらも選べます。
- 水深800mから採水した海洋深層水
- 80種類以上のミネラル
- FSSC22000認証取得の安心品質
