寝る前に水を飲むのはいい?適量・タイミングと夜中のトイレを防ぐ飲み方

「寝る前にコップ1杯の水を飲むとよい」と聞いて習慣にしたいけれど、夜中にトイレで目が覚めないか、むくまないかが気になる。そんな迷いを持つ方は少なくありません。

結論からお伝えすると、寝る前は水分補給を心がけたいタイミングのひとつで、環境省の「健康のため水を飲もう」推進運動でも勧められています。ただし、一度にたくさん飲むと夜中のトイレにつながりやすいため、少量を就寝の少し前に飲むのが基本です。

この記事では、量とタイミングの目安、夜中のトイレが気になる人の飲み方、温度や飲み物、枕元に置く水の選び方を、公的な情報をもとに解説します。

結論:寝る前の水は「少量を、就寝の少し前に」が基本

寝る前に水を飲んでもよいのか、逆効果にならないのか。まず押さえておきたいポイントは次の4つです。

  1. 寝る前に水を飲むのは問題ない。環境省の推進運動では、水分補給を心がけたいタイミングとして寝る前や起床時が挙げられている
  2. 量はコップ1杯程度を目安に、少しずつ飲む
  3. 就寝直前のがぶ飲みは避け、日中からこまめに飲んでおく
  4. 夕方以降のカフェイン飲料と寝酒は控えめにする

環境省の推進運動では「目覚めの一杯、寝る前の一杯。」を合言葉に、寝る前、起床時、入浴の前後、そしてのどが渇く前の水分補給が呼びかけられています。

出典:「健康のため水を飲もう」推進運動(環境省)

持病のある方へ

腎臓や心臓などの病気の治療中で、医師から水分のとり方について指示を受けている方は、その指示に従ってください。本記事は一般的な生活情報の提供を目的としており、医学的な診断・助言を行うものではありません。

寝る前に水を飲むのがよいとされる理由

寝る前の水分補給が勧められる背景を、公的な情報で言えることと言えないことに分けて整理します。

寝ている間は水分をとれず、脱水傾向になりやすい

からだからは、汗や尿のほか、呼吸や皮膚からも気づかないうちに水分が失われています(不感蒸泄:ふかんじょうせつ)。これは眠っている間も続きますが、その間は水分を飲むことができません。

環境省の推進運動のページでも、就寝中は水分をとらないために脱水傾向になることに触れたうえで、就寝の前後に水分をとること、枕元に水分をおいて就寝することが重要とされています。

出典:「健康のため水を飲もう」推進運動(環境省)

なお、睡眠中の汗の量は季節や室温、寝具などで変わるため、本記事では公的な情報で確認できない具体的な量は挙げていません。

「脳梗塞の予防になる」は本当?公的情報で言えること

寝る前の水について、「脳梗塞の予防になる」という情報を目にすることがあります。環境省の推進運動のページでは、脳梗塞の発症について次のように説明されています。

発症時間で最も多いのが夜間から早朝にかけてで、これは、就寝中には水分をとらないために脱水傾向になることと関わっているとされています。

出典:「健康のため水を飲もう」推進運動(環境省)

ここで示されているのは、夜間から早朝の発症と就寝中の脱水傾向が「関わっているとされている」という説明で、寝る前に水を飲めば脳梗塞を防げる、と言えるものではありません。寝る前の水分補給は、毎日の体調管理の基本のひとつと考えるのが正確です。気になる症状や持病がある場合は、医療機関に相談してください。

眠っている間に限らず、気づかないうちに水分が不足していないかは、関連記事「隠れ脱水とは?気づくためのチェックポイントと今日からできる対策」で確認できます。

寝る前に飲む水の量とタイミングの目安

量とタイミングに分けて見ていきましょう。なお、1日に必要な水分の総量は年齢や体格、活動量、季節によって変わります。寝る前の1杯は、1日を通した水分補給の一部と考えてください。

量:コップ1杯程度を、ゆっくり数回に分けて

寝る前に飲む量は、コップ1杯程度(約150〜200ml)が目安とされることが多いようです。公的な基準値ではなく一般的な目安なので、のどの渇き具合やその日の汗のかき方に合わせて調整してください。

大切なのは、一気に飲み干さず数口ずつゆっくり飲むこと。がぶ飲みすると夜中のトイレにつながりやすく、「たくさん飲むほどよい」というものではありません。

タイミング:就寝直前より、少し前に飲む

就寝直前に一度に飲むより、入浴後から就寝の少し前にかけて何回かに分けて飲むほうが、トイレが気になりにくいでしょう。「就寝の何分前が正解」という公的な基準は確認できないため、例えば就寝30分〜1時間前に1杯を目安にして、自分に合うタイミングを探してみてください。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、寝つきをよくするために就寝1〜2時間前の入浴が勧められています。入浴後にコップ1杯程度を飲み、寝る前に必要ならもう少し、という流れにすると、寝る直前の量を抑えやすくなります。

出典:快眠と生活習慣(厚生労働省 e-ヘルスネット)

夜中のトイレが気になる方は、夕食後から就寝までに飲む量を控えめにし、そのぶん日中にこまめに飲んでおく、という考え方もあります。

水を一度にたくさん飲みすぎた場合に気をつけたいことは、関連記事「水の飲みすぎ」で解説しています。

夜中のトイレが気になる人の飲み方

夜中のトイレが気になっても、水分を極端に控えると眠っている間の水分不足が気になります。ポイントは、水分そのものを減らすのではなく、量と時間帯、飲み物、食事の塩分を見直すことです。

一度にたくさん飲まず、日中にこまめに飲んでおく

日中に水分が足りていないと、夜にのどが渇いてまとめて飲みがちです。環境省の推進運動でも、渇きを感じる前に水分をとることが大事とされています。起床時、食事のとき、仕事や家事の合間など、飲むタイミングを決めておくと、寝る前の量を少なくしやすくなります。

出典:「健康のため水を飲もう」推進運動(環境省)

夕方以降はカフェイン飲料を控えめに

厚生労働省のe-ヘルスネットによると、カフェインを含む飲食物には覚醒作用があり、敏感な人は就寝の5〜6時間前から控えたほうがよいとされています。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、夕方以降はカフェインを含む食品・飲料の摂取を控えることが推奨されています。

また環境省は、アルコールや多量のカフェインを含む飲料は尿の量を増やし体内の水分を排せつしてしまうため、水分補給としては適さないとしています。

コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、エナジードリンクなどは、夕方以降は水や麦茶などのノンカフェインの飲み物に切り替えるのがおすすめです。

出典:快眠と生活習慣(厚生労働省 e-ヘルスネット)

出典:健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省、p.31-32)

出典:「健康のため水を飲もう」推進運動(環境省)

寝酒は避け、お酒を飲む日は水も一緒に

寝つきをよくしようとお酒を飲む「寝酒」は避けましょう。e-ヘルスネットによると、アルコールは一時的には寝付きをよくするものの、深いノンレム睡眠を減らす、中途覚醒を増やすなど、睡眠の質を低下させるとされています。睡眠ガイド2023でも、飲酒量が増えるにつれて夜中に目が覚める回数が増えると報告されていることが紹介され、晩酌は控えめにし、寝酒はしないことが勧められています。

前述のとおり、アルコールを含む飲料は水分補給の代わりにもなりません。お酒を飲む日は、お酒とは別に水も飲むようにしましょう。

出典:快眠と生活習慣(厚生労働省 e-ヘルスネット)

出典:健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省、p.31)

夕食の塩分のとりすぎにも気をつける

見落とされがちなのが、食事の塩分です。睡眠ガイド2023では、日中にとった食塩の過剰分は睡眠中に排泄されるため夜間の排尿回数が増えること、日ごろから減塩を心がけることで夜中に目覚める頻度の減少が期待できることが示されています。

汁物や漬物、麺類のスープなど塩分の多い夕食が続くと、夜にのどが渇きやすくなることもあります。夕食の塩分を少し控えめにすることも、寝る前の水を少量にとどめやすくする工夫のひとつです。

出典:健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省、p.27)

夜中に何度もトイレで目が覚める場合は

飲み方を見直しても夜中に何度もトイレで起きる状態が続く場合は、自己判断で水分を減らしすぎず、泌尿器科などの医療機関に相談してください。

夕方以降のコーヒーとの付き合い方は、関連記事「コーヒーは水分補給になる?カフェインの影響と上手な付き合い方」で詳しく紹介しています。

寝る前の水は常温?冷たい水?白湯?温度の選び方

寝る前に飲む水の温度に、決まった正解はありません。体調や好みに合わせて、飲みやすい温度を選べば大丈夫です。そのうえで、寝る前は一度に飲む量が少ないため、ゆっくり飲める常温の水が取り入れやすいでしょう。冷たい水は、一気に飲みにくいと感じる人もいます。

常温の水:寝る前にゆっくり飲みやすい

常温の水は、冷蔵庫から出したばかりの冷たい水に比べて口当たりがやわらかく、少しずつ飲みやすいのが特徴です。枕元に置いておいても、夜中や起きたときにそのまま飲めます。

白湯:温かい飲み物でほっとしたいときに

寝る前に温かいものを飲みたいときは、水を沸かして飲みやすい温度まで冷ました白湯も選択肢です。熱すぎるとやけどのおそれがあるため、少し冷ましてから、ゆっくり飲みましょう。

常温の水の取り入れ方は、関連記事「常温の水」で詳しく解説しています。

寝る前に飲むなら?水以外の飲み物の選び方

ほかの飲み物を選びたい日のために、ここまで紹介した公的な情報をもとに、寝る前の習慣としての取り入れやすさを整理しました。

飲み物 寝る前の取り入れやすさ 理由
水・白湯 取り入れやすい カフェインや糖分を含まない
麦茶・そば茶・カフェインを含まないハーブティーなど 取り入れやすい カフェインを含まない。睡眠ガイド2023でもカフェイン飲料からの置き換え先として紹介されている
甘い飲み物・スポーツドリンク 習慣にはしにくい 糖分を含む。砂糖などの濃度が高いと吸収までの時間が長くなるとされる
コーヒー・紅茶・緑茶・ウーロン茶・エナジードリンク 夕方以降は控えめに カフェインを含む。夕方以降の摂取は控えることが推奨されている
お酒 寝酒は避ける 睡眠の質を低下させるとされ、水分補給としても適さない

寝る前の習慣にするなら、水やノンカフェインの飲み物を基本にするとよいでしょう。

出典:健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省、p.31-32)

出典:「健康のため水を飲もう」推進運動(環境省)

出典:快眠と生活習慣(厚生労働省 e-ヘルスネット)

お茶の種類ごとの向き不向きは、関連記事「お茶で水分補給はできる?種類別の向き不向きと上手な飲み方を解説」で紹介しています。

夜中に目が覚めてのどが渇いたときは

夜中に目が覚めてのどが渇いたときは、我慢せず、少量の水を数口ずつゆっくり飲んでから再び休みましょう。

環境省の推進運動では、枕元に水分をおいて就寝することも重要とされています。また、砂糖や塩分などの濃度が高いと吸収までの時間が長くなる点に注意が必要とされているため、夜中に飲むのは甘い飲み物より水が向いています。

出典:「健康のため水を飲もう」推進運動(環境省)

枕元に置くなら、こぼれにくく、ほこりなどが入りにくいふた付きのボトルが便利です。暗い中でトイレに立つときは、足元にも気をつけましょう。睡眠ガイド2023では、特に高齢の方について、夜間にトイレに行く際に転倒しないよう、間接照明や足元灯などを活用する工夫が紹介されています。

出典:健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省、p.23)

寝る前・枕元に置く水の選び方:水道水・天然水・RO水・海洋深層水を比較

枕元に置く水は、毎日飲みやすい飲み口かどうかと、置いておく間の扱いやすさで選ぶのがポイントです。水は硬度の違いで飲み口が変わり、一般に硬度の低い軟水はクセが少なくやわらかい飲み口と感じられやすいとされています。カフェインや糖分を含まない点は、どの水にも共通です。

水の種類 硬度の傾向 品質・つくり 枕元に置くときのポイント
水道水 水質基準で300mg/L以下。地域によって異なる 国の水質基準(52項目)を満たして供給される ふたのできる清潔な容器にくむ。くみ置きは直射日光を避けた涼しい場所で3日程度が目安
ナチュラルミネラルウォーター(天然水) 採水地によって軟水から硬水まで幅がある 特定の水源の地下水を原水とする 容器入り。表示の保存方法に従い、開封後は早めに飲みきる
RO水(純水) 逆浸透膜でミネラル分の多くを取り除くため、非常に低い 原水を逆浸透膜でろ過してつくる 容器入りやウォーターサーバーなど。開封後は早めに飲みきる
海洋深層水(市販の海洋深層水飲料) 脱塩処理後の調整により、製品ごとに異なる 海洋深層水を脱塩処理してつくる 容器入り。表示の保存方法に従い、開封後は早めに飲みきる

どの水が優れているというものではなく、生活スタイルや好みに合わせて選べば十分です。ふたのできるペットボトルの水なら、くみ置きの手間がなく枕元にもそのまま置けます。

出典:水質基準項目と基準値(52項目)(環境省)

出典:水道水のくみ置きを習慣にしましょう(練馬区)

海洋深層水という選択肢

海洋深層水とは、一般的には水深200〜300mよりも深いところにある海水を指し、表層水に比べて細菌が少ない清浄性や、年間を通して水温が低く安定している低温安定性などの特徴があるとされています。

出典:駿河湾深層水の有効利用(静岡県)

海洋深層水の原水には、海水と同程度のおおむね3.4%前後の塩分が含まれていますが、市販の海洋深層水飲料は、逆浸透膜や電気透析などの脱塩処理を経て、食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格に適合した状態で流通しています。

例えば、静岡県伊東市の赤沢沖・水深800mから取水した海洋深層水100%ボトルドウォーター「Body Friendly Water」は、硬度40mg/Lの軟水で、クセがなくやわらかい飲み口が特徴です。寝る前にも少しずつ飲みやすく、ふたのできる500mlのペットボトルは枕元にも置きやすいサイズです。製造はカトープレジャーグループの株式会社赤沢温泉郷が手がけ、FSSC22000及びISO22000の認証を取得した自社工場で、取水から充填まで一貫して行っています。賞味期限は製造日から2年です。

項目 値
熱量 0kcal
ナトリウム 6.7mg(食塩相当量0.02g)
カルシウム 0.25mg
マグネシウム 0.78mg
カリウム 0.29mg
硬度 40mg/L(軟水)
pH値 6.2

※栄養成分表示(100ml当たり)。硬度のみ1L当たりの値です。※自社分析結果

なお、海洋深層水を寝る前に飲むことで、睡眠や体調に特別な効果があることが確認されているわけではありません。毎晩の1杯や枕元に置く水の選択肢のひとつとして、取り入れてみてください。

海洋深層水について研究でわかっていることは、関連記事「海洋深層水の効果とは?ミネラルの働きと研究でわかっていることを解説」で紹介しています。

よくある疑問

寝る前の水について、気になりやすいポイントをまとめました。

寝る前に水を飲むとむくみますか?

むくみには、水分の量だけでなく、塩分のとり方や体質など、さまざまな要因が関わるため、寝る前の水だけが原因とはいえません。気になる場合は寝る前の水を少量にし、夕食の塩分のとりすぎにも気をつけてみてください。むくみが続く場合や急に強くなった場合は、医療機関に相談しましょう。

寝る前に水を飲むと太りますか?

水はエネルギー(カロリー)を持たないため、水そのものが脂肪になることはありません。例えば海洋深層水100%ボトルドウォーター「Body Friendly Water」の熱量も100mlあたり0kcalです。翌朝に体重が増えて見えることがあっても、水分の出入りによる一時的なものと考えられます。

夜中のトイレが心配なら、寝る前は飲まないほうがいいですか?

まったく飲まないのではなく、日中にこまめに水分をとり、寝る前はコップ1杯程度を少しずつ飲むのがおすすめです。あわせて、夕方以降のカフェイン飲料や寝酒、夕食の塩分のとりすぎを見直してみてください。夜中に何度も起きる状態が続く場合は、医療機関に相談しましょう。

逆流性食道炎が気になる場合、寝る前に水を飲んでもいいですか?

症状や治療の内容によって適切な飲み方は異なるため、自己判断せず、かかりつけの医師に相談してください。一般的なポイントとしては、本文で紹介したとおり、就寝直前に一度に多く飲まないことが挙げられます。

海洋深層水は海の水なので塩辛くないですか?

海洋深層水の原水には、海水と同程度のおおむね3.4%前後の塩分が含まれていますが、市販の海洋深層水飲料は、逆浸透膜や電気透析などの脱塩処理を経て、食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格に適合した状態で流通しています。

脱塩の仕組みについては、関連記事「海洋深層水に塩分はある?脱塩の仕組み・安全性・食塩相当量を解説」で詳しく解説しています。

まとめ:寝る前の水は「少量・就寝の少し前・ノンカフェイン」で習慣に

寝る前の水分補給のポイントを振り返ります。

  1. 寝る前は、水分補給を心がけたいタイミングのひとつ
  2. 量はコップ1杯程度を目安に、数口ずつゆっくり飲む
  3. 就寝直前のがぶ飲みは避け、日中からこまめに飲んでおく
  4. 夕方以降のカフェイン飲料と寝酒、夕食の塩分のとりすぎを見直す
  5. 夜中にのどが渇いたら、枕元に置いた水を少量飲む

寝る前の1杯は、特別な効果を期待するものではなく、眠っている間に水分をとれない時間に備える、毎日の習慣です。量と時間帯、飲み物を少し意識するだけで、夜中のトイレを気にしすぎずに続けやすくなります。

水を飲むことの基本は、関連記事「水を飲む効果」もあわせてご覧ください。